歯科医院のインテリアは患者さんとトレンドも考慮してデザイン

歯科医院をオープンする際は、医院内のインテリアを患者さんとトレンドを考慮してデザインすることが重要です。本記事では、歯科医院のインテリアデザインで重視すべきことについて解説しています。

歯科医院の新規オープンが決まったら、どんなインテリアにするのか考えなければなりません。歯科医院は、提供するサービスにもよりますが老若男女が通う医療機関ですから、メインとなる患者さんの層に合わせてインテリアをデザインするのがおすすめです。

歯科医院・クリニックのメインとなる患者さん

歯科医院には、小さな子供から高齢者まで、幅広い年齢層の人々が集まります。歯科医院は歯になんらかの問題を抱えている患者さんが通うところですから、清潔で、シンプルながらも明るい雰囲気が求められる場所です。したがって、これを念頭にインテリアをデザインすれば、患者さんの居心地の悪い空間にはなかなかならないはずです。

このように、まずは歯科医院を訪れる患者さんのことを考えて、インテリアのデザインを考えるようにしましょう。

歯科医院が考慮すべきトレンド

近年、歯科医院、クリニックといった医療施設のインテリアデザインは、以前のようにいかにも「病院」といった雰囲気の場所は少なくなり、とてもおしゃれで居心地のいい空間構成になっています。まるでカフェかと思ってしまいそうなおしゃれでくつろげるこれらの歯科医院やクリニックの中には、プライバシーへの配慮が行き届いた個室まで用意しているところも増えているようです。

そしてトレンドといえば無視できないのが新型コロナウイルス対策です。コロナ禍が長引くにつれ、建築業界にもコロナ対策の波が訪れています。建材の中には抗菌作用を持つものもあり、各方面から熱視線が注がれています。

少子高齢化社会の進行もあり、医院の完全バリアフリー化を進める動きも見られます。

インテリアの専門家にデザインを依頼する歯科医院も

近年、歯科医院のインテリアが変化してきている理由のひとつに、プロの存在が挙げられます。インテリアの専門家と契約して、シーズンなども考慮して、歯科医院に集まる人たちがより快適に過ごせるようにインテリアをデザインするというやり方です。

歯科医院は先生の技術ももちろん重要な要素ですが、患者さんにリピートしてもらうことや、スタッフの定着にも、このようなインテリアデザインの手法は、一定の効果が期待できるようです。

歯科医院のインテリアデザインで考えるべきこと

ここからは、歯科医院のインテリアデザインで考えるべきことについてご紹介しています。これまでに歯科医院で働いていた方であれば、すでにおわかりの内容も含まれているかと思いますが、基本中の基本として、押さえていただければ幸いです。

歯科医院は、健康的であり、癒やされるスペースでなければ、患者さんは居心地が悪くなってしまい、今後、いくら先生の腕が優れていても、定着してくれないかもしれません。

まずは、この健康的で癒やされるスペースを作るために必要なことを考えてみましょう。

自然光や新鮮な風を取り入れる

歯医者さんの診療室は、よく日光が入ってくるイメージがありませんか?歯科クリニックで働かれていた方ならおわかりと思いますが、太陽の光を取り入れたり、新鮮な風を取り入れたりすることは、歯科クリニックの空間デザインに欠かせないことです。人間は太陽光を浴びると、通称「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの効果により、ストレスが軽減されます。歯科治療を控えてナーバスになる心のストレスを解消するのに、自然光が大きな役割を果たしてくれるのです。また、ときどき院内の空気を入れ換えることで、新鮮な空気を取り入れれば、患者さんにとってもスタッフにとっても、頭のリフレッシュになります。

観葉植物を置く

歯科クリニックを訪れると、観葉植物を目にすることがあります。これも患者さんやスタッフをリラックスさせる効果があります。人間は、自然の中に身を置くと、血圧や心拍数が下がり、心的なストレスを軽減できることが知られています。観葉植物を置くことで、このような心を落ち着かせる効果が期待できるでしょう。

自然由来のインテリアを取り入れる

自然光や新鮮な風、観葉植物など、自然のものは体に良い影響を与えてくれます。そのため、歯科医院で使う家具や雑貨などに関しても、極力、自然由来のものを取り入れると、院内の雰囲気をやわらげることができます。金属製品が多い部屋は、何か冷たさを感じることがありますが、自然由来のインテリアなら、患者さんやスタッフにやさしいイメージを与えてくれるでしょう。

自然をイメージしやすいカラーを取り入れる

アースカラーと呼ばれる、自然をイメージしやすいカラーには癒やし効果があります。具体的には、植物や海、空や土をイメージさせるカラーです。これらを歯科医院のインテリアに取り入れると、患者さんやスタッフを落ち着かせる効果があります。

植物をイメージさせるカラーといえば「グリーン」です。グリーンは、やさしさや癒やしを与えてくれるカラーだといわれています。

海や空をイメージさせるカラーといえば「ブルー」です。ブルーには高ぶった気持ちを抑えてくれる効果があるので、歯科医院のインテリアにはぜひ取り入れたいカラーです。

土をイメージさせるカラーといえば「ブラウン」です。ブラウンにも、心に落ち着きや安心感を与える効果があるとされているので、こちらも歯科医院にふさわしいカラーだといえるでしょう。

土足OKかスリッパにするか

これは、先ほど少し触れたバリアフリーとも関係してきます。以前は歯科医院やクリニックというと、エントランスでスリッパに履き替えて待合室に入るのが一般的でした。しかし、これでは段差があるためバリアフリーではありません。近年は、このバリアフリー化の波もあり、診察台に座る際も靴を履いたままでOKという歯科医院が増えています。トレンドを考えるのであれば確実に土足OKという流れになるかと思いますが、メインとなる患者さんの層によってはスリッパを選択することも十分に考えられます。衛生的にはスリッパのほうにメリットがあるからです。「土足OK」か「スリッパ履き」にするかは、メリット・デメリットを考慮しつつ、想定している患者さんに合わせて選べばいいでしょう。

子供向けのスペースの設置について

幼児を連れて来院する親御さんや、子供の患者が多く想定される歯科医院の場合は、子供向けのスペースの設置について考えたほうがいいでしょう。子供向けスペースの存在自体が、患者さんを呼び込む起爆剤になることも十分に考えられます。子供向けのスペースは、親御さんにとっても手がかからなくなるのでありがたいのですが、さらに子供が「楽しい!」と思ってくれれば、今後もリピートしてくれるのではないでしょうか。

まとめ

歯科医院のインテリアデザインで重視すべきことについてご紹介してきました。これまでに歯科医院で働かれていた方なら、ご紹介したことの多くはすでに理解されているかと思いますが、とにかく歯科医院やクリニックのようなスペースでは、患者さんの気持ちを落ち着かせるようなやさしさが求められます。歯科医院のインテリアデザインにおいては「自然」がキーワードになりますが、さらに患者さん、そしてトレンドにも気を配ることで、魅力あふれるインテリアを作ることができます。